14:30-14:50
20分
自治体財政には、長年解決されない二つの問題があります。
【問題①:議会の不毛な議論】
決算審査のたびに「基金をどれだけ積めばいいのか」という議論が繰り返されます。正解がないまま感覚で議論されるこの問いに客観的な根拠を与えるために、基金・区債シミュレーターを開発しました。税収変動・施設更新費・区債残高などの変数を動かすと財政の軌道が変わる。自治体財政担当者・議員向けのツールです。
【問題②:市民に届かない財政情報】
予算書・決算書は毎年公開されています。しかし読んで意味がわかる市民はほぼいません。財政説明会を実施している自治体もほとんどなく、実施していても年1回。そこで、365日財政説明会を提供するAI「財政ナビ-AIひろこ」を開発しました。
財政データを3つの層で搭載しています。
- Layer 1(横比較):統一的な基準による財務書類に関する情報をもとに、財政の破綻可能性・健全度指数・貯金(積立基金)と借金(特別区債)のバランス状況を対全国・対23区(近隣自治体)で比較します。
- Layer 2(縦比較):吉田方式公会計による「将来の税金」の推移から、区民の将来負担が増えたか減ったかを可視化。「去年よりも財政状況は良くなった?」に答えます。
- Layer 3(施設コスト分析):目黒区の図書館・プール・公民館など公共施設について、利用1回あたり・1人あたりにいくらの税金が使われているかを可視化します。身近な公共サービスのコストを知ることが、税金が効果的・効率的に使われているかを判断する材料になります。
さらに基金・区債シミュレーターのデータも搭載し、「このまま施設更新が続いたら貯金はいつ底をつく?」という問いにも答えられます。
市民が自然言語で問いかけると、グラフと共に回答が返ってくる動くAIシステムを発表当日お見せします。
Speaker

公会計研究所
CTO
岩手大学大学院工学研究科、名古屋商科大学大学院修了。台湾・ニューヨーク駐在を含む民間企業での経験を経て、現在は公会計研究所のCTOを務める。行政の意思決定には、政策の成果や将来負担を検証できる会計情報が不可欠だと考え、AIを活用したソフトウェア開発に取り組む。自治体の予算書・決算書・議会資料を「問えるデータ」へと変換し、住民や議員が自治体財政を読み解き、議論できる仕組みの構築と普及を進めている。

目黒区議会議員, Code for Meguro
代表
目黒区議会議員(3期目・無所属)。広島出身。東京工業大学大学院博士課程満期退学。元外資系金融機関のITエンジニア、3姉妹の母、腎移植ドナー。父母会で学童弁当サービスを立ち上げ、区の公式事業へ発展させた実績でマニフェスト大賞優秀賞を受賞。「テクノロジーで仕組みを変える、スピード感のある区政をつくる」と掲げ、提言だけでなく自ら手を動かして活動中。