12:10-12:50
40分
近年、ブロードリスニングや Decidim をはじめとする「新しい熟議プラットフォーム」が注目を集め、デジタル民主主義の実践が再び動き出しています。AIや市民参加の新しい形が登場するなかで、私たちはどのように意思を形成し、社会の合意をつくっていけるのでしょうか。本セッションでは、『なめらかな社会とその敵』の著者である鈴木健氏、技術と思想の両面から民主主義を探求する西尾泰和氏、Code for Japan理事でもあり、企業でAIガバナンスに取り組む山口奈々子氏が登壇。モデレーターの関治之とともに、「なめらかな社会」という視点から、いま起きているデジタル民主主義ブームの現在地と、次の10年への展望を語り合います。
Speaker

Code for Japan
代表理事
一般社団法人コード・フォー・ジャパン代表理事。政策起業家・シビックハッカーとして、2011年東日本大震災時にsinsai.infoを立ち上げ、2013年にCode for Japanを設立。デジタル庁シニアエキスパート、神戸市チーフ・イノベーション・オフィサー、東京都チーフデジタルサービスフェローをはじめ、全国の自治体で行政DXを推進。市民参加型の社会課題解決を牽引している。

Code for Japan 理事、株式会社リクルート データ&AIガバナンス室 データ&AIガバナンス戦略部 部長
経済産業省、Google、ハーバード大学ケネディスクールなどを経て2024年より現職。AIをはじめとする新しいテクノロジーの価値を社会に最大限活かしていくためにはどのようなルールが適切か、産官学といった様々な視点から取り組む。2025年1月からはCode for Japanに理事として参加し、Civic Techの視点からテクノロジーの価値を最大化する上で、市民参加の可能性を模索。

サイボウズ・ラボ
主幹研究員
博士(理学)。2007年よりサイボウズ・ラボにて、チームワークや知的生産性を高めるソフトウェアの研究、主幹研究員として現在に至る。2018年「エンジニアの知的生産術」を出版。2024年、AIによるブロードリスニングをもちいて東京都の長期戦略を改善する「シン東京2050」プロジェクトに安野貴博氏と共に関わる。都知事選2024、参院選2025、デジタル民主主義2030プロジェクトでの広聴AIの開発にも関わっている。

東京大学
特任研究員
1975年長野県生まれ。1998年慶應義塾大学理工学部物理学科卒業。2009年東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。国際大学グローバル・コミュニケーション・センター主任研究員、東京財団仮想制度研究所フェローを経て、2012年にスマートニュース株式会社を共同創業。著書に、『なめらかな社会とその敵』(勁草書房より単行本、筑摩書房より文庫本) など。専門は複雑系科学、自然哲学。
進行案
タイムライン | 担当 | タイトル | 内容 |
00-03 | 関 | 司会進行挨拶、各パネリスト挨拶 | 各自30秒程度で自己紹介 |
03-06 | 関 | アジェンダ設定 | 以下を解説
・デジタル民主主義とは?
・これまでの流れを振り返る |
06-14 | 鈴木 | なめらかな社会とデジタル民主主義 | なめらかな社会について紹介し、そもそも何が課題で、デジタル民主主義がどのような問題を解決しようとしているのかについて理解してもらう
以下について紹介
・なめらかな社会とその敵について軽く紹介
・なぜデジタル民主主義が重要なのか
・デジタル民主主義2030プロジェクトとは |
14-19 | 西尾 | AIによる熟議の現在 | 具体的な活動を通じて、どのようなことが可能になったのか、まだ積み残しはなんなのかを紹介する
・ブロードリスニングとは
・Plurality などの思想の源流なども紹介
・具体的な取り組み
・できたこと、課題などを紹介 |
19-24 | 山口 | AIガバナンスと公共政策 | 公共政策において、デジタル民主主義への期待や、AIを政策に活用していく際に気をつけるべきことについて頭出しをする
・AIによるバイアスをどう捉えるか
・AIガバナンスなどの透明性の必要性
など、透明性や市民参加型ガバナンスについて紹介 |
24-40 | 全員 | Q&A | Sli.do も使いながら質問
最初は私から頭出しの質問をいくつか。
(質問例)
・熟議を成り立たせるには、政策立案者はどのような能力が必要か?
・首長がやりたくても、現場に落とせない、という場合が多い。どう乗り越えるか?
・台湾って本当にすごいの?
・アルゴリズムの透明性を確保するって、実現可能? |